白球の倉庫 その十一
第百一回〜第百十回
私の愛する野球について語るコーナーです


連載 第百一回 2002/12/18

今年もあと少しになってきました。
世の中もだんだんまとめモードになってきた。
今年はいろんなことがありました。
私としては開幕戦で巨人に連勝して、
そこから始まった快進撃に大興奮。
ああ、生きててよかった、
とまで思ったものです。
なのに結局巨人優勝かよ・・・
という終わり方でしたが、
人間なんでも過程が大事。
勉強するときそう言われなかった?
よく頑張ったのじゃ。
ファンとしては暖かく見守りたい、のよのよ。
そうやってときには自分をほめてあげましょう。
子供はほめて伸ばす。
大人だってほめて伸びます。
今年はよく応援したなあ。
そうしみじみ思いながらビールをいただきましょう。


連載 第百二回 2002/12/19

まだ年が明けていないのですが、
高校野球の選抜大会の選考が始まっています。
去年から始まった21世紀枠の候補が決まりました。
現在九校に絞られています。
実際の出場は二校のはず。
私の友達の母校がこの中に含まれています。
どんな形であれ、全国大会に出場できるのはうれしいものです。
こういうときはぜひ
仕事をほったらかして、
ギリギリでもうっちゃって、
新幹線に飛び乗って、
お弁当ものどを通らず、
ビールでも落ち着けず、
新大阪から甲子園までの行き方を練習しつつ、
ラジオでほかの試合を聴きながら、
スポーツ新聞を二つくらい読んで、
デッキで高校時代の友達と携帯電話しつつ、
車窓も楽しめず、
カメラ忘れたなあなんて思いながら、
出張のビジネスマンを気の毒がりながら、
ちょっと居眠りもして、
もう京都かあなんて思いつつ、
・・・
甲子園に駆けつけて欲しいのです。
ちゃんと行くんだぞ。


連載 第百三回 2002/12/20

昨日、ビデオに録画しておいた「星野仙一220日」というのを見ました。
中日ドラゴンズの監督をやめて、
阪神タイガースの監督へ。
星野仙一の故郷・岡山にも、
母校・明治大学にも、
甲子園球場の監督室にもカメラが入る。
なんという魅力的な男だろうか。
怒る、
笑う、
黙り込む、
怒鳴る、
悲しそうな顔もする。
中日 ファンならずともこの「星野仙一」という
一人の男に引きつけられるのがよく分かる。
引力があるでしょう。
重力じゃなくて。
一年たってみてそれが十年にも感じた。
星野の意地を見せてもらった。
人のことをとやかくいう前に
自分でやって見せてるんだなあ。

来年もついていきます


連載 第百四回 2002/12/22

なんと、中村紀洋、メッツのオファーを断ったよー
まだ決まってもないのに
あたかも決まったかのように発表しちゃったからだって
わたしゃ名誉なことだと思うけどね
彼は近鉄と阪神とメジャーの間で揺れていたわけど、
こうして決まってみると
それぞれのいいところを見つけるよりも
減点方式になってしまっているほどに
ノリは慌てていたように見えるね
まあ真相や彼の気持ちはこれから徐々に
わかってくるでしょうね
しかし、それにしても、もったいねーなー
JFK空港まで行ってパスポート間違えてて
降りずに帰ってきたような気持ちだよ


連載 第百五回 2002/12/23

さて、今日は天皇誕生日ですね
いませんか、まだ4月29日だと思っている人。
なんだかんだで平成も14年が終わろうとしています。
大正に及ぶ勢いだ。
しかし、過去を振り返ってはいけませんぞ。
未来を見ようぜ、未来を!
さて、今日は年俸の話をしようか。
この間私の嫌いな江川卓がおもろいことを言っていた。
契約更改で1000万の人が2500万になったとしよう。
新聞(スポ)は「2.5倍!」って書く。
翌年も同じように頑張ったとして、
選手は「よしよし、今年も2.5倍だ」と思って、
7000万くらいかなーとほくほくして会議室のノブを握るわけだ。
しかし、球団は「倍」じゃなくて「足し算」の考えで行くから
2500万+1500万=4000万でくるわけよ。
「二倍近い開きがありまして 、保留しました」
となる。
確かにそうだ。面白い。
人間って数字をどう解釈するか、それだけで一喜一憂してしまう。
たまには江川も面白やつだ。



連載 第百六回 2002/12/24

この間小樽のお寿司屋さんに行ったら
阪神タイガースのサインボールがおいてありました。
札幌とか小樽のこうした観光地に行くと
この手の「サインもの」が
必ずと言っていいほど存在します。
ラーメン屋には巨人の選手のサイン、
居酒屋には阪神の選手、
お好み焼き屋には広島の選手、
西武もあるし
ときには日ハムの選手もね。
わたしね、こういうの嫌いなの。
自慢だし、
選手にこびを売っているように思える。
もちろん有名選手や有名人に来てもらえるのは
うれしいことだけど、
それがお店の価値にはあまり関係ないように思う。
じゃあ有名人が来ないとつまらない店なのかというかそうじゃないし。
興ざめするよねえ、ああいうの。


連載 第百七回 2002/12/25

煩悩の数108に近づいてきた。
嫌いな人の話をしようと思ったけど、
クリスマスなので縁起が悪いので
また今度にしよ。

そうそう、私グローブ持ってないんです。
欲しいんだよなあ。
ローリングス。
守備のうまい選手って感じでしょ。
でもね、一人だけがグローブ持ってても
キャッチボールできない。
これってさみしいよね。
かける人のいない携帯電話みたいな、
盗まれた自転車の鍵だけみたいな、
ふただけ残った鍋みたいな、
まあとにかくとってもさみしいわけだ。
壁とキャッチボールするという方法もあるけど、
やっぱ生身の人間としたいよねー
というわけで、グローブは二つ欲しいものだ。


サンタさんへ



連載 第百八回 2002/12/26

煩悩の108です。
今年、パンチョ伊東という人が亡くなりました。
以前パ・リーグの広報を担当していた人で、
やめたあとは野球評論家みたいな仕事をしてました。
アメリカのメジャーリーグに詳しいだけじゃなくて、
顔も売れている人でした。
その人柄でたくさんの人に好かれ
ドラフトの声はいまでもたくさんの選手、たくさんの野球ファンの
心の中に響いていることでしょう。
私もこの人大好きでした。
私はこの人ほど野球を愛した人はいないと思います。
愛して愛して、愛したまま亡くなってしまった。
野球は生きている人だけじゃなくて、
こうして亡くなった人も積み重ねた歴史です。
きっと天国からパンチョさんは、
松井秀喜のアメリカでの活躍を
楽しみにしているんだろうなあ。


連載 第百九回 2002/12/27

今年はあと何回書けるかなあ。
もしかして最後?
だったら困るので、とりあえずあいさつ。
半年間のご愛顧ありがとうございます。
来年もどうぞよろしく。
さて、押し迫ってきました、2002年。
ペナントレースとワールドカップ終わってみると、
野球ファン的に「たいしたことなかった」
もっとサッカーに押されると思ってたもん。
つまるところ、まだ日本人にはサッカーを見る目が
薄いんじゃないだろうか。
半年たってみると、残ってるのってベッカムだけだったりして。
女の人が騒いでるだけだったりして。
もっとJリーグ盛り上げてやれよー。
私は野球も好きだけどJリーグも見てるよ。
うんちくをたれるほどじゃないけどね。
きっと平成14年、2002年がサッカー元年だったんだ。


連載 第百十回 2002/12/29

前回サッカーの話をしました。
以前中山雅史(ジュビロ磐田。日本代表)が
こんな話をしてました。
居酒屋でおっさんたちが酒を飲みながら話すのは
もっぱら野球の話題、
それにものをたとえるのもサッカーじゃなくて野球、
サッカーはこの国ではまだまだ、
長い時間が必要だ、
って。
たしかに、ものを例えるのに「オフサイドだよー」とか
「そいつはハンドだ」なんてあまりいいません。
(埼玉、静岡はしらんが)
ここに中山の悲哀さを感じます。
しかし中山のような
勝利に対する真摯な姿勢、
日本代表の選手の中での自分の役割、
日本サッカーサポーターの精神的支柱としての存在を
十分に理解している、そして実践している選手は
いまの日本野球界には存在していないのではないかと考えています。
このあたりなんとかしたい2003年であります。

白球の威力へ