白球の倉庫 その四
第三十一回〜第四十回
私の愛する野球について語るコーナーです


連載 第三十一回 2002/09/20

今年のサッカーワールドカップは日韓共同開催でした。
韓国はベスト4までいったこともあって異常な盛り上がりを見せました。
その影でどんなことが起きていたのか。
誰も野球を見なくなっちゃったそうです。
球場にも行かない、
人気がないからテレビ中継もなし。
激しいぞ、韓国。
日本では前半の阪神タイガースのがんばりが、
サッカーの後はG・松井のがんばりが
ありましたので、なんとかなった。
来年は韓国のプロ野球選手が
日本にたくさん来るかもしれませんね。
アメリカのメジャーリーグがストライキをしたときそうでしたから。



連載 第三十二回 2002/09/21

しばらく休んでいたのに、
ちょっと書き始めるといろいろ出てきて、
もっと書きたくなりました。
パ・リーグの優勝が今にも決まりそうな今日この頃です。
西武ライオンズのマジックが「1」なのです。
まあこれはほっといても優勝するでしょうからいいとして、
目下の注目はアレックス・カブレラ選手のホームラン数です。
あと15試合を残していまもう「53本」なのです。
日本には「55」本という壁があります。
王貞治の作った記録です。
これを破ることはタブーなんでしょうか。
しかも外国人には破らせたくない的においがあります。
これまで、ランディ・バース、タフィー・ローズなど
偉大な外国人がその記録に挑んで来ました。
55本の手前に立っていたのは、
日本の投手の「敬遠」という石垣でした。
全然勝負してもらえない。
打てる、打てないの世界じゃない。
打たせないの世界だったのです。
私はぜひ、この2002年に55本をあっさり更新して、
この際60本くらい打って欲しいと思ってます。
頼んだぜ、カブレラ!



連載 第三十三回 2002/09/22

セ・リーグは昨年から引き分け試合が認められました。
それまでは再試合してました。
サッカーでもそうですが、
勝負を決めるか、引き分けにするかで、
終盤の試合運びに大きな違いが出てきます。
9回の打順によって、中継ぎの投手で続投するか、
抑えの投手を登板させるか。
攻撃の時も、
代打を送るか、
打順のままで行くか。
ここで監督のこの試合に対する勝ちへの執念、
チャンスの見極め方、
勝負の流れの読み、
などいろいろなものが読み取れます。
先発投手への勝ち星の配慮もあるでしょうし、

誰が勝とうととにかく勝ちにこだわることもあるでしょう。
野手、投手全員使ってでも勝ってやるということもあるでしょう。
延長戦になると監督の腕の見せ所です。
経験や運がぎっしりつまってます。
ペナントレースの残りも少ないですが、
こうしたお楽しみもどうぞ。



連載 第三十四回 2002/09/23

今日は何について書こうかな。
セ・リーグの優勝までもうマジックは2です。
一か月後には日本シリーズ、
その一か月後にはドラフト会議が待っています。
野球が終わりに近づいているのはとても淋しいですが、
確実にクライマックスに近づいています。
かたや、消化試合に突入し、順位が決まるだけのチーム、
個人タイトルを狙う選手、
来年の残留をかけた選手、
などなど厳しい戦いもあります。
今年は久しぶりに三冠王が誕生しそうです。
正確にはわかりませんが、もう10年以上
三冠王の栄冠を受ける選手は途絶えておりました。
ホームラン王であり、
打点王であり、
打率ナンバー1なのです。
松井秀喜、この人が三冠王になろうとしています。
問題は打率でしょうか。
どうなるかなあ。
楽しみですね。
そして、今年FA権を取得した彼が、
このタイトルを引っ提げてどこにいくかもとっても楽しみです。



連載 第三十五回 2002/09/24

私の友達で桑田真澄を深く愛している人がいます。
若い投手の中で尊敬する投手とか目標とする投手を聞くと
一番名前が挙がるのが巨人の桑田です。
KKコンビの世代から離れた人たちからも人気があるのです。
彼の魅力について今日は考えてみます。
桑田は投手としては決してからだが大きくありません。
球もそんなに速くない。
しかし、入団以来背番号18をもう17年も守ってきているのです。
彼は努力と信頼の人であると、私は思っています。
以前、東尾修という投手がいました。
彼は見方がエラーをすると露骨に表情に出していました。
桑田は決してそんなことはない。
守備でも自分自身も信頼している。
黙々と練習する。
投手として基本である下半身を鍛えるために
地道に走り込みをする。
投手の中にはつらく地味な走り込みを
嫌う選手が少なくありません。

投手としてだけでなくときとして
自らのバットでヒットやタイムリーを生み出して、
勝利を引き寄せることがあります。
マウンドではボールに小さく語りかけ、
まさに一球に入魂します。
野球に対して真っ正面から取り組む
そのひたむきさが野球ファンの心を
深くとらえているのでしょう。
桑田の選手生命がどこまで続くかわかりませんが、
その行く末を見届けたい、
そう思っています。



連載 第三十六回 2002/09/25

まだ連載を終わるつもりはありませんが、
ここまでの経過で「白球の威力」を
感じていただけたでしょうか。
野球はサッカーと違って毎日でも試合ができます。
トトカルチョはありませんが、
そうした賭を持ち込まなくても
野球は十分に魅力のあるものです。
毎日の中で野球を糧に生きているファン、
ファンを支えに野球に打ち込む選手たち、
こうしたきずなが日本の野球を
育て上げたといいでしょう。
これからも野球は日本の中で
生き続けます。



連載 第三十七回 2002/09/26

今日は監督について。
昨夜、横浜ベイスターズの森監督が解任されました。
先日は 日本ハムファイターズの大島監督が今季限りとなりました。
解任というのはいわゆるクビのことで、
成績が悪いから責任を取らされたわけです。
厳しいですなあ。
普通の会社ではなかなかしないことです。
数字がすべての世界だからこそ。
方や、今年は西武・井原監督、
巨人・原監督という監督一年生が
優勝を研げました。
若い監督、新しい監督が時代にマッチしているのかもしれません。
そういえば、オリックス・石毛監督は一年生ですが、最下位か。

もう一つの切り口、監督の出身ポジション。

投手・・・山田@D、星野@T
捕手・・・森@YB
野手・・・原@G、若松@ヤクルト、山本@C、
やっぱ捕手の人って暗い感じするなあ。
バント失敗するとねちねち怒られそうな気がします。
なんて見ていると、野球の試合ってけっこう面白いですよ。


連載 第三十八回 2002/09/27

昨日阪神タイガースの星野監督が、
ベテラン投手6人に対して戦力外通告を行いました。
連続最下位だったとは言え、
一時代を築いてきた投手たちです。
ファンにとってはひとつの時代が終わったような
淋しい気持ちでいっぱいになりました。

戦力外通告というのは、いわゆる解雇です。
引退するもよし、新天地を求めるもよし、
自分で探しなさいということですね。
プロ野球選手はサラリーマンのお給料と比べると
何倍もありますが、 その分仕事ができる寿命が短いのです。
1億円もらっていても翌年から0になることもあるわけです。
しかも30歳前半でそういう時期が来てしまうわけです。
新しい若い選手が入ってくると古い人や戦力的に低い人は押し出されてしまう。
厳しい世界です。
だからこそ一年一年全力が戦えるのですね。
明日は引退について考えてみましょっか。



連載 第三十九回 2002/09/28

今日は引退について考えることになっていましたね。
ここ数年まじめに野球を見るようになって
「引退」ってすごく難しいことがわかりました。
それは「いつ引退するか」ってことじゃなくて、
「引退させてもらう」ってことです。
年を取ったり、チームの方針にそぐわないと
チームにおいてもらえなくなります。
戦力外になったり、トレードになったりして、
チームを変わることになったりします。
チームを変わるとやはり外から来た人ってことで、
生え抜きとはちょっと違った扱いになります。
引退試合をしてもらったり、引退セレモニーを
してもらえるなんて、生え抜きの20年選手なんていう
重鎮じゃないとしてもらえないんです。
自分で引退を決めること、
それが自分の育ったチームであること、
ファンにも深く愛されていること、
これは選手の実績だけなく、
その人の人柄や野球に取り組む姿勢も
反映 されることです。
去年の和田選手(現阪神コーチ)の引退セレモニーはよかったなあ。
大野(元広島カープ)の引退セレモニーもよかった。
「我が野球人生に悔いなし」
名セリフです。


連載 第四十回 2002/09/29

この連載ももう40回か。
よくがんばったもんだ。
まだまだ書くことはあるぞ。

球場で実際に野球を見たことがありますか。
私は一年に一度は必ず行ってます。
ときどき思うんですが、
選手たちはグラウンドで必死で白球を追いかけているのに、
見ている人がビールを飲み、おつまみを食べ、
お弁当を食べ、ジュースを飲み、
ときには酔っ払いなどしているのって、
よくないなあって。
自分の職場にそんな人が来て騒いでたら怒りますよねえ。
しかも時々激しくヤジるんですよ。
野球が娯楽であるから仕方がないといえば
仕方がないのかな。
サッカーって案外みんな必死で応援してます。
ビールもあまり売りに来ないし。
よくないなって思ってますが、
やはり球場でお弁当を食べたり、
ビールを飲むのってすがすがしくて気持ちいい。
選手たちはどう思っているのかなあ。


白球の威力へ