白球の倉庫 その六
第五十一回〜第六十回
私の愛する野球について語るコーナーです
連載 第五十一回 2002/10/11 さて今日は消化試合について。 もうそろそろシーズンが終わります。 あと残り試合も数試合です。 順位が確定してるところあれば、 最後の最後まで上を狙うべく死闘を繰り広げるところも有り。 また個人タイトルをめぐって激しい駆け引きもあります。 真剣勝負ではない場合、 敬遠とか、途中降板とか そういう中途半端な場面に出くわすわけです。 ファンとしては真っ向勝負を希望しますよねー。 アメリカの大リーグでは消化試合がありません。 リーグの優勝が決まったらそれで全部の試合が終わるのです。 最初それを知ったときは驚き、 シーズンは最後まで楽しみたいと思ったものですが、 最近それは賢いやり方だなと思うようになりました。 ファンを無視するような勝負よりは潔く感じます。 連載 第五十二回 2002/10/12 プロの選手は毎日のように試合があります。 試合のない日でも若い選手たちは練習しています。 練習して試合する、練習して試合するの連続です。 試合の中で身に付く経験もあれば、 練習の中で積む努力もある。 私は阪神の坪井選手が昨年「練習はうそをつかない」と いった言葉がたいへん印象に残りました。 当たり前と言えば当たり前なんですが、 練習しても練習しても手応えのない場合に この言葉を聞くと大きな励みになるのです。 これは実際に練習の果てに苦労した人でないと吐けない言葉です。 一見プロ野球の選手たちは華やかな世界に生きているようですが、 孤独で苦しい世界がその裏にあるのです。 連載 第五十三回 2002/10/13 残り試合を1とか2とかいう時期です。 いまは投手のタイトル争いが熾烈になってきました。 まずは最多勝。 ヤクルトのホッジス投手と、巨人の上原投手。 新人王。 ヤクルトの石川投手と、横浜の吉見投手。 新人王の場合は投手とか野手とか関係ないです。 今年たまたま投手同士の争いになったのです。 投手の場合、毎試合投げられるわけじゃない。 日程の間合いを計算して、投げさせる。 タイトルを狙ってチーム全体が必死になる。 ペナントレースとは違った駆け引きがあります。 昨日の試合で吉見は一人で10回を投げました。 結局は負けてしまいましたが、 タイトルにかける意気込みはたいしたものです。 目的があれば力を出せる投手であることが 証明できたんではないでしょうか。 来年も楽しみです。 連載 第五十四回 2002/10/18 10月17日でセ・リーグの全日程が終了しました。 それぞれの最終戦では引退選手を送る試合になりました。 派手にやめていく人、 ひっそりとやめていく人、 やめたくなくてもやめていかざるを得ない人、 事情は人それぞれです。 早い人は18歳から球界に足を踏み入れる。 しかし、早い人は20代で選手生命を終える。 長い人は40歳になってもまだ続ける。 ここがサラリーマンとは違うところ。 自分のすべてをかけて野球に打ち込む男の姿があります。 明日はパ・リーグの最終戦。 今年は十分すぎるほどに楽しんだ一年でした。 いやいや、まだ日本シリーズが残っているもんね。 連載 第五十五回 2002/10/19 昨日でパ・リーグの全試合終了です。 これでセ、パ全部終わりました。 今年はどっぷり野球にはまり込み、 たっぷり楽しみました。 野球のない国には住めないわ。 サッカーの悪口言うわけじゃないけど、 サッカーって裏と表がないから 集中力が続かないんです。 たった一点しか入らないのを見逃すかもしれない。 まあ、野球でも一発のホームランで決まるときもあるけど、 自分のチームの攻撃だけでも見ておけば とりあえずなんとかなるでしょ。 そういう「めりはり」が好きなのです。 連載 第五十六回 2002/10/20 今日は3割30本30盗塁について。 これは私のあこがれの数字です。 3 割は打率。 30本はホームラン。 30盗塁は盗塁数です。 2000年に広島の金本選手が達成しました。 広島の最終戦でホームランを打ち、達成したのです。 これはぎりぎりだったけど、ちょっと劇的でした。 今年は西武の松井稼頭央選手が達成しました。 盗塁は41くらいして記録を意識したというよりも もっと目標が高かったように思います。 3割30本30盗塁という 記録は ちょっとの才能やちょっとの努力では どうしようもないものです。 一打席、一球に集中して 毎日の試合を大切に過ごしていかねばなりません。 そうした野球に取り組む姿勢が 尊敬に値すると考えています。 連載 第五十七回 2002/10/21 今週末はいよいよ日本シリーズ。 140試合を長々と持久戦で戦うのではなく、 7 戦だけの短期決戦です。 下手すると、たった4戦で終わってしまうこともあるのです。 こういう試合でのホームラン、 こういう試合でのヒットエンドラン、 こういう試合でのバント失敗、 そりゃもう致命的です。 一球一球が勝利を引き寄せ、 たった一球が勝利を手放す。 わくわくしますねえ。 ちなみに、日本シリーズは寒いですよー。 一度神宮球場に行ってやけに長引いて、 風邪引いたのに ハーゲンダッツのアイスクリームを 食べたくてたまらなくなって、 食べながら青山通りを歩いたことがあるんだよ。 連載 第五十八回 2002/10/22 いまアメリカではワールドシリーズの真っただ中。 日本ではリーグ優勝したらそのあと日本シリーズですが、 アメリカではその間にもう一つ決勝戦があります。 ワールドシリーズは日本の日本シリーズに当たるもので、 これで今年2002年のアメリカ一が決まるのです。 アメリカ一なのに、ワールドシリーズって変よね、 って私は思っております。 まあそういう細かい点はいいとして、 今年はアナハイムエンジェルスとサンフランシスコジャイアンツです。 私はアメリカの野球にそんなに詳しくないけど、 どちらのチームにも日本人がいた、もしくはいるってことで、 ちょっとは知ってます。 1戦、2戦はアナハイムで試合をしました。 球場はもう真っ赤です。 日本でもそうですが、 本拠地のファンで埋まっているのです。 連載 第五十九回 2002/10/23 昨日の続きです。 本拠地で試合をすること、それは選手にとって たいへん心強いことでしょう。 例えば、自分がたった一人で異国の地で仕事をするとか、 知らない地で発表会をするなんてことを考えます。 誰か一人でも知っている人がいれば、 休憩時間だって息抜きができるし、 話し相手にもなるでしょう。 その会場の大部分が自分の知っている人だったら、 自分のファンだったら もっと安心してことをやり遂げることができる。 自分の球場がチームカラーで埋まっていたら 「よしよしよし、やったるでー」 という気になります。 スポーツに限らず、「一人じゃないんだ」っていう 気持ちって元気を沸き立たせてくれますね。 連載 第六十回 2002/10/24 十回ごとに思います、よく書くことあるなあ。 もう60回です。 私ってほんとに野球バカ。 昨日はですねWOWOWで 「巨人の星 花形満特別編」 をいうのを見ました。 昔の巨人の星の花形のところだけを集めた物語。 花形は右打者。守備はファースト。 星飛雄馬は左投手。 二人は年が違います。星の方が一つ下。 花形は怖いものなしのバッターでした。 ライバルを探し求めていたのです。 そこで星に出会います。 他にいろいろと無理な設定はありますが、 一打席一打席の勝負は真剣です。 子供のころからこんなの見てたら野球が好きになりますよ、ほんと。 |