白球の倉庫 その七
第六十一回〜第七十回
私の愛する野球について語るコーナーです


連載 第六十一回 2002/10/25

昨日は星飛雄馬と花形満のことを書きました。
花形は星と永遠のライバル対決をするために
自ら数々のセッティングをしていきます。
中学生の時、高校生の時。
星が巨人に入れば、花形は阪神に入団。
一打席一打席に勝負をかけていくのです。
いまの日本のプロ野球にこうした宿命のライバルって
存在するのでしょうか。
古くは村山vs長嶋、
掛布vs江川などなどありました。
いまこうして考えるとちょっと思いつきません。
今年、松坂世代の大学組がドラフトにかかります。
高卒組、社会人組、大卒組。
その中にぜひ松坂を打ち崩すようなライバルが
存在することを祈っています。
時代のヒーローは宿命のライバルを持ってこそ生まれるのです。


連載 第六十二回 2002/10/26

今日の夜から日本シリーズが始まります。
ちょっと前まではデーゲームでやってました。
ナイターになって会社から帰ってきて見られるようになったから
ありがたいんですけど、
なんとなく日本シリーズって秋晴れの中ですがすがしく、
そして寒さをしみじみ感じながら観戦するという印象が
私の中から消えません。
まあ昔話はいっか。
わくわくしますねえ、日本一が決まるんです。
今年は西武ライオンズと読売ジャイアンツです。
先発は松坂と上原です。
井原監督の申し出により今年は予告先発となりました。
今年は東京ドームから始まります。
さあどっちが勝つかな。
日本シリーズってすご〜く緊張するらしいね。


連載 第六十三回 2002/10/27

日本シリーズ第一戦。
巨人が制しました。
初球をヒットした先頭打者の松井稼頭央。
2番打者のバントで松井稼頭央をセカンドでアウトにした阿部慎之助。
ここが今日の勝負を象徴してました。
相手はパ・リーグの盗塁王です。
進塁を許すと三盗もあるでしょう。
勢いをへし折った、という阿部の肩。
これで上原投手もほっとしたことでしょう。
短期決戦ではこうした心理的な効果が大きいよー。
さて、海の向こうはサンフランシスコジャイアンツが
アメリカ一に王手をかけています。
場所はアナハイムです。
さて適地で優勝をもぎ取れるか、楽しみですねえ。


連載 第六十四回 2002/10/28

日本シリーズ第二戦。
また巨人が制しました。
どうもこの勝負、チーム同士の差というよりも
リーグ同士の差も大きく関係している、
と思っている。
西武の投手の球が簡単にヒットされるのだ。
両リーグの投球の内容の違いは
ずっと前から指摘されている。
パ・リーグは速球、ストレート勝負。
セ・リーグは技巧的変化球を多用。
まあそうした違いを楽しむものだけど、
それが実力の差をも生み出してきてはいないか。
今のところ、セパの入れ替えの意見はないし、
セパの交流試合は実現しそうにない。
私の心配を吹っ飛ばすような第三戦以降になって欲しい。


連載 第六十五回 2002/10/29

海の向こうではアメリカ一が決まりました。
アナハイムエンジェルス。
スター不在なんて言われてましたけど、
そういうチームの方がそつのない野球ができるのかもしれません。
ここへきて続々と大学生がプロ入りを表明しています。
自分の進路を自分で決められるなんて
当たり前のようでなかなかできないことです。
まあこれも日々努力してきた証かもしれません。
まあ入る前は誰もがゴールデンルーキーなんて言われますから、
しばらくはほっといて、
誰がプロの壁を越えられるか見守りましょう。


連載 第六十六回 2002/10/30

2002年日本シリーズ、とうとう巨人が王手をかけました。
三戦目も巨人の圧勝でした。
西武がというよりもやはりパ・リーグが
巨人の野球に負けているように見えます。
さて今日の第四戦どうなりますことやら。
昔こんなことがありました。
近鉄vs巨人。
もちろん日本シリーズです。
近鉄が三連勝しました。
近鉄のある投手が試合後のインタビューで
巨人はロッテより弱いと発言したのです。
これを聞いていきりたったのは巨人ナイン。
そこから四連勝してその年の日本一となりました。
つまり精神の状態が勝負を大きく左右することもあるのです。
もちろん原監督はこの事件を知っておりますから、
当たり障りのないインタビューを繰り返しております。


連載 第六十七回 2002/10/31

2002年日本シリーズ、巨人が優勝しました。
四連勝。
まさに圧勝でした。
1回の西口のピッチングを見たときは
球の切れがものすごくて
むむ、これは!と思ったものでしたが、
それも夢と消えました。
巨人ナインの「原監督を胴上げさせたい」という
信念が優勝をぐっと引き寄せたんでしょう。
行き着くところは、
自分は何のために野球をやっているのか、
野球をやってどうしたいのか、
という精神論になってしまうのかもしれません。
サッカーワールドカップの年に
こうしたあっさりとした野球の結果というのが
2002年を象徴しているかもしれません。


連載 第六十八回 2002/11/01

日本シリーズが終わり、次はFA権の行使です。
9年とか10年がんばった選手たちに
フリーエージェントの権利が与えられるのです。
まずはこの権利を使うかどうか、
使う場合移籍するのかどうか。
各球団の大物や目玉選手の去就が注目されています。
いままで日本人は野球をビジネスとは
考えていませんでした。
職場であり、家族的な集まりでした。
人情でつながっている場合もあったでしょう。
だからなかなか愛着のあるチームを離れることができないし、
人情で選手をつなぎ止めることができるとフロントは思っているのです。
複数のチームで野球をすることによって
より自分を磨き、
自分の求める理想の野球を実現できるんじゃないでしょうか。
その前にもちろん理想の野球を思い描く必要があります。


連載 第六十九回 2002/11/02

巨人・松井秀喜選手がFA権を行使し、
アメリカのメジャーリーグに挑戦することを発表しました。
暇人の私は記者会見をテレビで生で見てました。
いつものように彼は言葉を選んで
決意を語り、
苦しかった胸の内を明かしました。
勇気ある決断ですが、
成功の前例がたくさんありますから、
メジャーへの挑戦というよりも
ジャイアンツを出て行くという勇気を
私は賞賛します。
海外への日本の才能の流出なんて言う人がいますが、
そんな思想はナンセンスです。
また新しい才能が生まれてきますし、
もちろん新しいヒーローの誕生もあります。
そうしたサイクルも野球の楽しみの一つなんです。


連載 第七十回 2002/11/03

今日は文化の日です。
そして連載70回目。
めでたい。
ということにしておこう。
昨日東京六大学野球 秋季リーグで
早稲田大学が優勝しました。
エース和田が調子悪いながらも投げきりました。
彼はいまプロ野球界注目の左腕なのです。
実は私の母校の後輩でありまして、
う〜んなんともがんばってほしい、
という私情が絡みまくって
とにかくこっそりひっそり応援しております。
まあそれはまた今度の機会にしておいて、
昨日は早慶戦でした。
早稲田は和田、
慶応は長田、
エース同士、四年生同士の投げ合い。
お互いの実力とプライドを
ぶつけ合ういい試合でした。
プロと違って、また高校生と違って、
大学野球というのは四年間同じメンバーと
戦い続けるし、
同じ学年同士というのは
どうしてもあいつを超えたいという闘志を
たぎらせるものであります。


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