言葉の威力
日本語の言葉の力について考えていきます
まずは私と友達・姫の二人で主催している読書会を紹介します
読書会とは、一つのテーマをき決め、本を選び、
その感想を述べあう集まりです
現在は友人と二人だけの閉じたものです
将来的に解放するかも・・・
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第二回 テーマ 文豪の名作
姫の選択本 森鴎外「舞姫」
リサの選択本 田山花袋「蒲団」
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蒲団を読んで・・・私の感想
いやいやいや、前回の更新から1年以上もたってしまった。
実はデジタルリサで一番検索でやってくるのがこのコーナーだったりします。
「だったりする」という日本語って変ですね。
きっと、蒲団がかかれた時代の人には意味の通じない言葉でしょう。
それはいいとして、私はこの読書会をはじめるときに
名作で読んでないものを読んでみようと思って
姫に持ち掛けました。
一人では読まないでしょうけど、二人なら・・・という甘い考えでした。
特に姫は文学少女でしたから、私が読んでなくても
読んだことがあるものは何かしらの判断基準を持っているのはないかと
思っていたのです。
しかし、私が読んでいないものは姫も案外読んでなかったりして、
いい意味で当てが外れてしまいました。
「いい意味で」っていうのも変な日本語です。
では、本題。
「蒲団」っておもしろいです。
いままで読んでいなくて損だったなあって思いますし、
いまさらながらも読んでおいてよかったなあと思った作品です。
うーんなんともダメおやじなおっさんの物語なんです。
それを真面目に書いてるからおもしろい。
エロいし、
ずるいし、
おっさんやし、
打算的だし、
女々しいし、
どうしようもないし、
どうしようもない。
平成のいまだったらこんなおっさん五万とおりますが、
田山花袋の時代でも同じくらいいたんでしょうが、
それを書いた人がその時代にいなかったというおもしろさかもしれません。
もしまだ読んでない人、読んでください。
絶対人に「読んだことある?」って聞いてしまうよ。
舞姫を読んで・・・私の感想
まるで古典なのだ。助動詞が難解なのだ。文語が「舞姫」の壁だった。
大変いけないことなんだが、インターネットで現代語訳を探して読んじゃいました。
反則の甘い罠にはまってしまった。
ではまじめな感想に。
人間とは弱いものです。
流されたり、裏切ったり、人のせいにしたり。
それをありのままに文章にすることによって、
人間の存在や生き方を確かめることができる。
今の平成の世にあって心の中のものを吐き出すこと、吐き出せるって言う環境はあちこちにある。
インターネットを使っていいたいこというなんてジョーシキ。
これって明治の世の中にはなかなかできないことだった。
明治、大正、昭和の人々の努力の賜物がいまなんですね。
ああ、感謝します、先人たちよ。
そして、明治の時代も平成の時代も自分探しの旅は変わっていない。
これは明治の人の努力が足りないんじゃなくて、
21世紀の宿題かもしれないね。
豊太郎さんはドイツで若い女性エリスさんに恋をします。
国際恋愛です。
切ないです。
私は映画「ベルリン天使の詩」を思い出しました。
大人の天使が、サーカスの空中ブランコの踊り子に恋をするのです。
切ないです。
話を戻すと、エリスさんは発狂します。
豊太郎さんはそんなエリスさんが怖くなり日本に帰っちゃいます。
ひどいねー
捨てるなんて
豊太郎さんは人のせいにしてその恋を勝手に終わらせます。
そういう物語です。
なんてひどいやつー
文学ってね全部がかっこいい、まじめなものじゃないよ。
なにこの人ばっかみたい、とか
なんて汚い人、とか
そういう人生の裏側的な、弱い部分とかを、
吐露しているのが文学だったりして、
そういうのが実は一番面白いんですよ。
「舞姫」ってすごく薄いんですよ。
ページが少ないの。
もっといっぱい書いたらじっくり書ける物語じゃないかなあ。
どうしてこんな少ないのか不思議でした。
私は「蒲団」の方を先に読んだんですが、
この二つ実は『日本のバカ男』的選択でして、
ちょー面白かった。
大人になってからこそ面白い名作かもしれないなあ。
2002/08/10
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第一回
テーマ 読んでそうで読めなかった海外の名作
姫の選択本
「老人と海」 ヘミングウェイ作(新潮文庫)
リサの選択本
「変身」 カフカ作(新潮文庫)
「老人と海」を読んで・・・私の感想
この本は読むのに自分でリズムを作れなかった。
とても読みにくかった。
人のせいにはしたくないが、翻訳のせいかもしれないなあ。
相性なんでしょう。
私は船に乗って釣りをしたことはありません。
魚との駆け引きなんて想像の外だった。
というわけで、どこが名作かわからなかった。
それを自分で確かめられたことも、
この読書会を結成した成果があったな。
この本を読み終わって、姫と意見交換をしてわかったことがあった。
それは、老人が釣って帰ってきたのが、
サメであったということだ。
私はカジキマグロを釣ってきたと思っていた。
つまり勘違いをしていた。
落ちがわからないなんて、私って天然?
しっかりせねば。
「変身」を読んで・・・私の感想
こちらは私が選んだ本。
いろいろな人に「変身って読んだことある?」と聞くと、
たいていの人は「ある朝起きたら虫になる話でしょ」
と返してきます。
読んでいないものの弱みで、
それ以上の要求もできず(案外読んでいない人もいたかもなあ)
よくそんな気持ち悪い話を考えるなあ、
程度の印象だった。
そう思っている人が私のほかにもいるならば、
ぜひ読んでみて欲しい。
というのはね、
この物語は虫になった男(ザムザといいます)の苦悩だけではなく、
その周りの人の反応を綴っているからである。
これは現代におけるひきこもりなんかと
よく似ているのではないかと思うからだ。
自分が姿も形も変わってしまうような病気にかかってしまったら・・・
家族にはやさしくしてもらいたいよねえ
2002/07/28
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